『100万回生きたねこ』公演:神奈川の演劇時評より



『親子で楽しめる創作音楽劇に取り組んできた劇団湘南山猫が、創立十周年記念として新作「100万回生きたねこ」を演じた。(7月13〜14、藤沢市民会館小ホール)
 原作は佐野洋子の人気童話。飼い猫として生まれ、死んではまた生まれ変わり別の人に飼われる、ということを繰り返す雄猫が、ある時野良猫に生まれる。ある雌猫を愛し、子を育てやがて死ぬと、今度は生まれ変わらなかったという話。言葉や劇的展開が少なく、読み手の解釈や想像力にゆだねられる部分が多い。  劇団ではこうした原作の味に配慮しながら、自分たちの解釈で言葉を加えて脚色した。もともと作曲や歌唱などの音楽面が得意な集団だが、それだけでなく、せりふやダンスによる表現にも力を入れてきた。今回もそうした特色を発揮して、原作の魅力と音楽劇の楽しさをともに感じさせた。』
(演劇ライター 山田ちよ)



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